異世界C

□思わぬハプニング
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三日ぶりに戻る自宅は、浦原商店とは違って、特に変わった様子はなかった。あの膜みたいなものは…?

「アタシの家と、ちょっと様子が違う、と思ったんでしょ?」

すぐさま、思ったことを言い当てられた。

「……アタシん家は、夜一サンやテッサイをはじめ、霊圧の高い者がまとまって住んでいます。だから、特に強い結界を張っておかないといけないんスよ。虚(ホロウ)に狙われると近所迷惑になるでしょ? でも、アナタ方は独り暮らしですし、アタシたちほど霊圧が高くはないから、そこまで強い結界を張らなくても大丈夫なんです。まあ、対・虚(ホロウ)としては万全を尽くしてますよ」

確かに、玄関に一歩入った途端、外と空気が変わったことは肌で感じた。

「ね? ちゃんと外界と遮断されてるの、判るでしょ?」
「確かに。テッサイさん、ありがとうございました」
「何の、これしき。不具合がありましたら、何時でも仰ってくださりませ」

ところで、砕蜂の家は、どうなっているのだろう?

「砕蜂殿のお宅は、砕蜂殿のお宅にのみ、術を施しております。他の部屋に霊力の高い御仁が越して来られた場合はどうなるかなど、予測がつかぬゆえ」

なるほど。砕蜂の家は、さすがに大勢で押し掛けるのは憚られたので、俺の家を確認することで良しとした。
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