異世界C

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浦原商店での生活も三日目となり、ようやく要領がわかった頃、俺たちが予備校から帰ると、ちょうど、テッサイさんが戻ってきた。仕事が片付いたのか?

「只今戻りました」
「テッサイ、ご苦労様。それで、首尾は?」
「まずは上々かと」
「そっスか。アタシのほうも何とか間に合いました」

そう言うと、こちらを振り向いてニパぁと笑い、

「檜佐木サン、砕蜂サン、今晩の食事の後片付けはいいっスから、後でお伝えしたいことと、ちょっとした用事があります」

と告げた。いよいよか? 砕蜂と一つ屋根の下という嬉しくも(理性との戦いで)辛い日々ももうすぐ終わる。惜しいようなホッとするような…。でもやはり残念だ。

テッサイさんが戻ってきて、その日の晩ごはんは今までになく豪勢だった。それにしても、帰ってすぐに、よくこれだけの品数が作れたものだ。今となっては見慣れた光景―四楓院先生とジン太の「おかずをめぐる仁義無き戦い」―が目の前で繰り広げられ、やがて食事が終わると、子供たちは台所に食器の後片付けに行き、茶の間には浦原さん、四楓院先生、テッサイさんと俺たち2人が残った。
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