異世界C

□四楓院先生の考え
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自分でも何故こんなに浦原にイラっとするのか、分からない。檜佐木にたしなめられて、あらためて自分の至らなさのようなものを指摘されたと思った。と同時に、何故、檜佐木にそのようなことを言われなくてはならないのか、と、檜佐木にも少なからず腹が立った。同じ年齢なのに。

そもそもあいつは、私にとって何なのだ? ……檜佐木のことを好いていることは自覚している。……キスも…した。だからと言って、どうなのだ? よく考えたら、別に付き合っているわけでもない。「付き合う」という単語が頭に浮かぶと、急にカぁ〜っとしてきた。2階に上がってきてしまった手前、また茶の間に降りていくのが自分でも恥ずかしい。そんな時に、廊下から檜佐木の声がした。

「砕蜂、どうした?」

迎えに来てくれたのだろう。でも、かえってそれが、何もかも見透かされているようでまたムッとした。つい、

「放っておいてくれ。どうせ数日のことだ。ここでも参考書を読むくらいのことはできる」

と言ってしまった。檜佐木はなおも、

「なあ、砕蜂?」

と問いかけてくるが、むしゃくしゃしていた私は、

「煩いっ! 檜佐木はあっちで勉強してろ。私に構うなっ!!」

と怒鳴ってしまった。檜佐木はそれ以上は何も言わず、茶の間に降りていった。檜佐木は私よりずっと大人だ。自分の子どもじみた行動に苛立ちと恥ずかしさを覚え、やり場のない気持ちにいたたまれず、私は布団に突っ伏した。
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