異世界B
□浦原商店からの帰り道
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結局その日は、お茶だけいただいて帰ってきた。黒崎一護が修行しているということは、もしかして黒崎の親父さんも…? いつだったか砕蜂の往診に来てもらった時、俺の顔の傷を気にしていたのは、分かっていたからか?
砕蜂は無言だった。が、ポツリと、
「やはり、先ほど見たことは現実だろうか? 変な宗教などではないのだろうな?」
「分からねえ。とりあえず、俺たちは能力が発動しない限りは一般人だからな」
「うむ…」
しばらく無言で歩き続けたが、ふと訊いてみたくなった。
「なあ、もし能力が発動するのが同時じゃなかったら、どうする?」
「四楓院先生が守ってくれるのではないのか?」
「浦原さんは、先に能力が発動した方が虚(ホロウ)に襲われているのに何もできないで苦悩するのは辛いだろう、って言ってたけど、要は先に能力が発動しても虚を倒せるようになりゃいいんだろ? それなら、俺が先のほうがいい。……お前を守れるようになっておきたい」
「なっ! 勝手なことを言うな!! そんなことになるくらいなら、私が先に檜佐木を守れるようになる!」
「お前が危険な目に遭っているのに、何もできないなんて御免だ」
「そ、それは私も同じだ」
思わず顔を見合わせた。