異世界B

□四楓院夜一の正体
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俺たちが呆気にとられていると、やおら、四楓院先生が口を開いた。

「お主ら、喜助におちょくられていると思っとるじゃろう?」

「だって…、あの、もしかして四楓院先生まで『死神』だと仰るのでは…」

「そうじゃ」

当たり前のように、しれっと答えられた。

「えっと、あの、その…、先生は学校で普通に先生をしてますよね?」

「そうじゃな。普段、人間社会で人に接するときには『義骸』というものに入っておる。まあ、作り物の身体じゃ。よいか?」

すると、四楓院先生の身体がふ〜っと傾き、意識を失って横に倒れた。と、その横に、ニンマリと笑った先生が立っていた。

「「え? え〜っ!!」」

「どうじゃ。少しは信じられたか? 儂にはもう1つ妙技があるのじゃが…、それは追々、な」

「……。あのう、先生はご実家が嫌だ、みたいなことを仰っていましたが、もしかして、ご家族にその力を疎まれて、とか…?」

すると、先生は笑って、

「いや。家族も皆、死神じゃが、実は帰るに帰れぬ事情があってな。それで喜助の家で厄介になっておるのじゃ」

と言った。
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