異世界B
□夏期講習
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夏休みに入った。店長は順調に回復している。そしていよいよ、夏期講習が始まった。
ウチの高校からも結構、受講者がいるようで、伊勢や虎徹、斑目、綾瀬川のほかにも、いく人か見知った顔を見かけた。俺としては砕蜂の私服姿を毎日拝めるのが嬉しい。……いや、勉強、勉強。
砕蜂とは同じ理系ということもあり、一緒に受ける授業が多い。また、予備校には自習室があるので、空き時間は自習室で一緒に過ごすことが多い。
ただ、学校とは違って、講義の内容もレベルが高い。また、皆、受験対策をしに来ているわけだから、勉強熱心で、自習室の席を2人分確保しようと思うと、ひと苦労だ。砕蜂への気持ちを自覚してしまった今となっては、2人きりになかなかなれないのは、少し、いや、すごく残念だ。
あと。他校の連中が時々砕蜂に声をかけてくるのが気に食わない。今のところ、俺がガッチリ、ガードを固めているが、たまに自習室の席が空いていないと、
「砕蜂さん、ここ空いてるから座らない?」
などという姑息(?)な手段で気を引こうとする。
しかし、砕蜂は元来人見知りが激しいのもあってか、
「いや…、遠慮する」
と言って断っているが。ざまあみろ。