異世界A

□ハンカチを買いに。
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砕蜂にタオルハンカチを借りてしまった。とりあえず、洗濯して返そう。

タオルハンカチはふんわりと良い香りがした。少し拭いてくれたので湿り気はあるが、触り心地も柔らかい。それ以上、濡らすのは気が引けて、鞄にしまった。

あいつだって、女の子だもんな。柔軟剤とかの匂いかな…。そういやあ、俺、そういうの使ってねえや。お袋がいたら、使ってたんだろうか。

家に着いて、濡れた服を脱いで洗濯機に入れ、シャワーを浴びる。でも、砕蜂に借りたタオルを下着なんかと一緒に回すのは気が引けた。シャワーを終えて、鞄からさっき借りたタオルを取り出した。ベッドに仰向けになり、ハンカチを自分の顔に被せてみる。

何の香りだろう? あいつの匂い…。

そう思っただけで、全身が熱くなってきた。やべぇ。それ以上、考えてはいけない気がした。

結局、タオルハンカチは手洗いして、アイロンで乾かしてみたのだが、なんだかゴワゴワしていて、そのまま返すのは気が引けた。どうしよう…?
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