異世界A
□ぎこちない午後
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折角、大勢で遊びに来て一緒に昼ごはんを食べているのに、なんともいえず、気まずい。昼からどうする? という話題がなかなか切り出せないまま、昼ごはんを食べ終えてしまった。…気まずい。口火を切ったのは、伊勢だった。
「ねえ、まだ砕蜂さん、流れるプールのほうには行ってないから、行きませんか? 大きな浮き輪ならレンタルもしてますし。」
「あ、斑目くん、大きな筏みたいなの持ってたじゃん。」
「じゃあ、それ、お借りできませんか?」
「お、おお。他にも持ってきてるから使えよ。」
「なんでそんなに持ってきてるの?」
「ネムちゃんを誘ったら、今までこういうところに来たことかないっていうから、一角がありったけ持ってきて、貸してあげてたのさ。」
弓親が代わりに説明する。
「斑目〜っ! さっきから聞こうと思ってたんだけど、いつの間に?」
と、すかさず虎徹が突っ込む。
「いや、まあ、な…。弓親、テメぇ、余計なことを言うな!!」
茹で蛸のようになった斑目一角は、なぜか嬉しそうに見えた。