異世界A
□それぞれの事情
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スパから上がって、お昼御飯にしよう、ということになった。13時を回っていたので、フードコートも少し空き始めていた。
4人で昼ごはんを食べていると、2人仲良く昼ごはんを食べている市丸先生と松本先生、四楓院先生と浦原が遠目に見えた。
「ねえねえ、市丸先生と松本先生は噂に聞いてるけど、四楓院先生と一緒にいる人、誰? ウチの学校の先生ではないわよね?」
(…そうか。皆は知らんのだ。)
「ああ。あれは先生の幼馴染みらしい。さっき私が四楓院先生に泳ぎを教えてもらった時に聞いた。」
浦原商店での出来事に触れたくなかったので、そういうことにしておいた。
「ふ〜ん。結構イケてるじゃん。背、高いし。」
「そうか?」
「まあ、好みはともかく、間違いなくハンサムな部類に入るのでは?」
(……。そうなのか?)
「あっ、あれ、斑目先輩ですよっ! 涅さんと一緒だ! なんか茹で蛸みたいですね。」
「あ…。でも涅さん、1年生のみんなのところに戻って行っちゃった。」
「斑目さんが『行け』という仕草をしてましたよ。」
「これは、斑目を問い詰めなくっちゃ。どういう接点よっ!」
「そうね、姉さん。どこで知り合ったのかな。」
……虎徹姉妹。なぜにそうまで他人に興味津々なのだ? ただ、「あの時」2人はいなかったからな。まあ、余計なことを言うのは止めておこうと、伊勢に目配せをした。