異世界A
□怒らせちゃった?
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市丸先生と松本先生が、くるっと俺のほうを振り向き、市丸先生はさっそく、にぃっと良からぬ笑みを浮かべた。松本先生も、ターゲット・ロック・オンの状態だ。
「檜佐木〜。砕蜂はどうしたのよ。」
「檜佐木くん、女の子にさみしい思いさせたらアカンで〜。」
(そんな遠くから大声で…。)
とりあえず逃げよう、と振り向いた途端、がっしりと肩を掴まれた。市丸先生だった。素早いし、なんつー力だ。
「君、砕蜂ちゃんと付き合うとるんやろ? ケンカでもしたん? なんやったら仲直りの仕方、教えたろか?」
「付き合ってるわけでも、ケンカしたわけでもありませんよ。」
「でも、砕蜂の泳ぎの特訓に付き合ってあげに来たんでしょ?」
「……。何でそれを?」
「さっき虎徹・姉から聞いたわよう。砕蜂の具合が悪そうだから、あんたと2人っきりにしてきたって。ちゃんと付いててあげなきゃダメじゃない? 折角のチャンスなんだから。」
(こ・て・つ〜っ!)