異世界A

□傷に隠された秘密
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浦原さんは、じっと俺を見据えている。

「アタシがこれからお話しすることを信じる・信じないはアナタの自由です。が、それを知ることでアナタの、もしかするとアナタの周りの人の人生まで変わってしまうかもしれないですが、それでも訊きたいですか?」

思わず、隣にいた砕蜂を見た。彼女は黙って頷いた。

「では。何からお話ししましょうかね。……檜佐木サン、あなた幽霊って見たことありますか?」

「はい?」

「世の中には幽霊…、アタシたちは魂魄と呼んでいますが、それが見える人と見えない人がいます。」

「よく『霊感が強い』とか、『霊感が無い』とか『有る』とか言ってるやつですか?」

「ええ。まあ、そんなとこです。アタシたちは、『霊力がある』とか、『霊圧が高い』なんて言い方をしますが。」

「ということは、浦原さんは幽霊、…魂魄が見えるということですか。」

「そういうことになりますねえ。」

「ちなみに、檜佐木サン、あなたは?」

「俺は生憎、そういった怪奇現象はまったく…。だからスミマセン。なかなか浦原さんの仰ることがなかなか理解できません。」

「そうでしょうね。」


「幽霊」とか「魂魄」とか、まして「霊力」とか「霊圧」と言われてもイマイチぴんと来ない。
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