異世界A

□浦原家の食卓
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結局、砕蜂は、浦原さんの怪しげな発明品によって縮んでしまった四楓院先生のジャージを借りた。たしかにサイズはこちらのほうが合っているようで、そのまま貰うことになった。

テッサイさんの料理は美味かった。四楓院先生は子どもたち(主にジン太だったが)と大人げなくおかずの取り合いをしていた。俺はとても参戦する気にはなれなかったが、ふと先生が、器用に片手でジン太を押さえつけておかずを食べながら、

「なんじゃ、お主ら、それしか食わぬのか?」

と言った。

「夜一サンが女のくせに食い過ぎなんだよ。返せよ、俺の唐揚げっ!」

「残念だったな。もう腹の中じゃ。…しかし、砕蜂も檜佐木も、そんなことでは体力が付かぬぞ。」

「いや、俺ら受験生ですし。」

「ん? 受験を嘗めてはいかんぞ。体力がなくては受験も侭ならぬ。肝心の時に風邪でも引いたらどうする? 下手をしたら1年をフイにするぞ。」

「「あ…。」」


たしかに先生の言うことにも一理ある。
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