異世界
□看病・その後
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翌日は日曜だったので、ひたすら眠っていた。ただ、昼前に、黒崎の妹2人が、食料品を届けてくれた。
「こんにちは〜。黒崎医院の者です。砕蜂さんに、お届け物で来ました。」
「はじめまして。黒崎遊子です。お兄ちゃんがお世話になってます。」
とペコリと頭を下げる。
(いや…、黒崎の世話などしとらんぞ。むしろ世話になっているのはこちらだ。)
どうやら、檜佐木→黒崎→黒崎家の面々、の順で連絡が行ったようだ。黒崎の父の指示だろうか、昼御飯と晩御飯にと、妹たちが栄養の摂りやすいスープを作って持ってきてくれていた。妹たちは双児と言っていたが、二卵性なのか、見た目にも性格的にもタイプが違った。
ただ、どちらも母親がいないせいか、テキパキと家事をこなし、私の代わりに洗濯をしてくれたり、他に必要なものはないか、色々と世話を焼いてくれた。
最初は、なぜ黒崎の妹たちが…、と思ったが、
「なぜお前たちが?」
と尋ねると、異口同音とはいかないが、同じタイミングで、
「砕蜂さん、女子の独り暮らしだから、一兄とヒゲが、あたしたちに行けって。」
「砕蜂お姉ちゃん、女の子の独り暮らしだから、お兄ちゃんとお父さんが私たちに行くようにって。」
と答えた。
多分、檜佐木が気を回して、私が寝込んでいるということが知れるのを必要最小限に留めてくれたのと、女子である私の部屋に上がるのなら、黒崎の妹たちが適任だと考えてくれたのであろう。