異世界

□看病A
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不本意だった。こんな肝心な時に発熱するとは。熱など、幼いころからほとんど出したこともないのに。

思えば、檜佐木にタックルされたあの「事故」以来、夜、ベッドに入ると気になってよく眠れないことが続いていた。

タイミングよく虎徹がバスケに誘ってくれなければ、檜佐木とギクシャクしたままになっていただろう。バスケを教えてもらう、という大義名分と、常に虎徹姉妹と、朽木・有沢がいてくれたおかげで、檜佐木とも何事もなかったかのように接することができた。

だが、寝不足気味に加え、感じの良い奴らだとは分かっていても、慣れない人付き合いに、精神的にも疲れてしまったのかもしれない。折角、皆で頑張ったのに、悪いことをしてしまった。

つらつらと、試合中に意識を失ってからの出来事が断片的に蘇ってきた。

医務室で寝ていたら、皆が迎えに来てくれて、一緒に帰ってきた。……。それから…?

ガバっと起き上がる。が、急に起き上がったので、頭がズキズキした。私は自分のベッドで、いつの間にかパジャマに着替えて眠っていたようだ。

(どうやって…? 今、何時だろう?)

よく見ると、だいぶ温くはなっているが、ビニールに氷を入れてタオルでくるんだ氷嚢が2つ、左右の首筋に当てられていて、起き上がった拍子に落ちてしまったのだろうが、額にも濡れたハンドタオルが当てられていたようだ。

部屋の灯りは、枕元のランプだけだったが、部屋の灯りを点けて、見回してみた。
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