異世界

□医務室
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時間は少し遡る。

砕蜂を医務室に連れていくことを仰せつかった俺は、どうやって彼女を運ぶか思案した。

(お姫様抱っこは、やってみたいけど、いやいやいや、なに考えてるんだ、俺。不味いよなぁ…。)

とりあえず、砕蜂に呼び掛ける。

「おい、砕蜂、立ち上がれるか?」

「……ああ。なんと…か。すま…ない。」

「じゃあ、肩貸してやるから掴まれよ。」

肩に手を回すだけで、ちょっと、いやかなり緊張してしまう。非常時とはいえ、女子にこんなに密着したことはない。バスケのユニフォームは、ノースリーブなので、その……、露出度が高い。触れた部分がかなり熱いのでよほどの高熱だと分かった。

「何か飲んどけよ。スポーツドリンクとか、持ってねえ?」

「さっき飲んでしまった。」

やはり、かなりきつかったんだろう。

「買ってきてやるから、ここに座って休んでろ。あと、俺の飲みかけで悪りぃけど、よかったら、これ。」

と自分の水筒を渡す。ふと見ると、悪寒がするのか、肩を抱えて震えていたので、俺の荷物の中からジャージを出して羽織らせた。

そんなこんなでようやく医務室に辿り着くと、見知った顔があった。
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