異世界A
□黒い影の正体
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そんな時に、聞き慣れた声がした。
「2人きりのところを邪魔するの。」
ニカっと笑って四楓院先生が立っていた。見事なおみ足に、お胸だ。くびれも素晴らしい。
「あら〜。砕蜂さんに檜佐木さん。どうもっス。お邪魔でしたか〜?」
「なぜ浦原さんが? 今日は教職員の有志の先生方で来ているんでしょ?」
「いや〜。夜一さんがおニューの水着でプールに行くっていうんで、アタシも気が気じゃなくて。教職員同士でも有志でっていうのが余計に心配じゃないですか。『悪い虫』が寄ってこないか、それはもう。」
「たわけ。そんな不貞な輩がおれば、返り討ちにしてくれるわ。」
夫婦漫才のような会話が繰り広げられ、さっきまでの緊張感が吹っ飛んだところで、浦原さんが急にマジな顔つきになって言った。眼が怖ぇえ。
「ところで砕蜂さん。アナタ、『何か』を見ましたね?」
「え…?」
(まだ俺たちしか知らないことなのに?)
「あれはアタシと夜一さんです。心配ありません。」
それまでのマジな表情を崩してニパっと笑った。
「雑魚ですが、子どもを狙おうとしていた奴がいたんです。だからアタシと夜一さんで片したんスよ。でもびっくりさせてスミマセンでした。あ、でもアナタたちの存在には、奴は目もくれてませんでしたから大丈夫ですよん。」
しかし、そこで浦原さんはまたマジな顔つきになって、しばらく考え込み、
「……。それでも、アタシたちが見えるようになりましたか…。」
呟くように言った。