異世界A

□水底の記憶
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記憶が突然蘇り、浦原の言っていたことがあまりにも思い当たりすぎて、全身がガクガク震え始めた。

「おい、砕蜂っ! 大丈夫か? 真っ青じゃねえか。」

「砕蜂さん、少し休もう。温泉で暖まったほうがいいよ。」

「あ、ああ…。そう、する…。」

左右から檜佐木と虎徹が支えてくれて、足の付くところまで連れていってくれた。

「やっぱり檜佐木くんがいてくれてよかった。私1人じゃ、砕蜂さんに泳いでもらわなくちゃいけなかったもん。」

しかし、プールサイドに上がっても震えは止まらず、私はその場にへたり込んでしまった。私は両肩を抱くようにして震えていた。その様子に只ならぬものを感じたのか、虎徹がバスタオルをかけてくれ、次に檜佐木に向かってとんでもないことを言った。

「檜佐木くん、砕蜂さんをとりあえず暖かいところまで運んで! この際、採暖室でもジャグジーでも、一番近いところ。」

「「え゛。」」

2人同時に声が出た。しかし、檜佐木がしゃがんで背を向けて、

「ほら。背負ってやるから。」

と言うので、仕方なく言われた通りにした。……何の罰ゲームだ。
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