*jojo*

□キスマーク
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空いた口が塞がらない。

「私行くところがないの。だから暫くの間でいいから私をここに置いて。」

「ちょ…ちょっと待てっ!君は僕の事を警察に垂れ込まないのか?」

「え?警察?アナタ何言ってるの可笑しな人ね。」

女性は驚いたように笑い出した。

訳が分からない。

「それで…僕の事を許してくれるのかい?」

「許すも許さないも私何も怒ってないわよ?一体何をそんなに切羽詰まってるの?」

切羽…ってそりゃ詰まるだろうよ。
でも、幸い彼女は怒っていないようだ。

ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間。再び開かれた彼女の口から凍りつく一言が。


「ただし、アナタには守って欲しい事が二つあるわ。」

「!」

やはり何かあるんじゃないか。
露伴はオズオズと彼女の顔を見た。

「守って欲しい事とは?」

「そうね。まず一つ目はこの家の全ての窓にカーテンを設置する事。」

「カーテンを?」

「ええ。私こう見えて紫外線アレルギーなの。」

紫外線…。そりゃまた珍しい病気だ。
そんな事をボンヤリと考えていると彼女から二つ目の約束が告げられた。

「それから、ここにいる間毎晩私の夜の相手をして頂戴。」

ふぅん。夜のねぇ…。

って!

「オイッ!!」

「何?どうしたの急に大声出して。」

「いゃいゃいゃ、最後のは可笑しいだろ?」

「何で?女性に性欲が無いとでも?」

「違う違う!そうじゃなくて何で僕が毎晩君の相手をしなくちゃならないんだい!?」

「えー?だってアナタ上手だもの。」

上手って…。
やはり昨晩は彼女に×××してしまったのは間違いないようだ。

「フフフ。責任取ってね?」

彼女は実に愉快そうにティーカップに口を寄せた。

ハァ…。
何という事だ。しかし彼女を汚してしまったのは事実。
ここは男として責任を取らねばなるまい。

露伴は腹をくくり彼女をここに住まわせる決心をした。

「分かった。条件は飲むよ。所で君の名は?」

これから一緒に住むのだから『アナタ』とか『彼女』とかいう風には呼べない。
きちんと名前を知りたかった。

「う〜ん。そうねぇ。私の名前は…。」

オイオイ。自分の名を名乗るのにそんなに考えるか?

「僕の名は岸辺露伴だ。」

「露伴?良い名前ね。私はマヤよ。」


嘘。今考えた名前だろ。
という突っ込みは無かったことにして僕はマヤと握手を交わした。
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