*jojo*
□キスマーク
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玄関の覗き穴から外を見る。
そこに立っていたのは担当編集者の泉京香だった。
ガチャ。
「あっ!露伴先生おはようございますっ!」
「原稿ならできてるぜ。」
露伴は玄関を開けるなりいつも通り京香を書斎に通そうとしたが既に遅かった。
「あれ?あの人誰ですか?」
「!」
てっきりリビングのソファーに腰掛けながら紅茶を飲んでいたと思っていた彼女が廊下をウロウロしている。
「ちょ…君っ!何でウロウロしてる?リビングに戻りたまえ!」
「いゃ、ちょっとトイレ…「突き当たりを右っ!」
露伴は声を荒げながら彼女を一掃した。
「…先生。私お邪魔でしたら帰りますけど?」
「はぁ?何を言ってるんだい?君は僕の原稿を取りに来たんだろ?余計な事は言わなくていいから早く付いてきたまえ。」
露伴はそう言うとツカツカと原稿を取りに向かった。
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「えぇー!?露伴先生それって犯罪じゃないですか!?」
出来上がった原稿を茶封筒に入れながら京香が叫ぶ。
「それはどっちの事?僕?それとも彼女?」
「そりゃ先生ですよ。」
「…。」
「だいたい起きたら裸でベッドの上って…それはもぅ連れ込んで×××したとしか考えようがないですし。」
「君ィ女性が×××なんて言うもんじゃないよ…。」
「とにかくっ!売れっ子漫画家の先生が女性を連れ込んで×××しただなんて世間に知られたら不味いですよ。口止め料でも渡してさっさと追い出したらどうです?」
「だから…僕は何もしてないってば。(多分だけど)」
「でも先生。さっきから気になってたんですけど…首筋にキスマーク付いてますよ?」
「!?」
京香はバッグの中から小さなミラーを取り出すと露伴の顔の前に開けて見せた。
「はぁ!?何だよこれっ!?」
見れば本当に首筋が赤く腫れていた。触るとちょっぴり痛い。
「フフフ。よっぽど激しかったんですね。」
京香はあたふたする露伴が可笑しくてケラケラと笑い出した。
「…。楽しんでる?」
「まさかぁ!私は先生を心配しているんですよ!」
だが、顔は笑ったままだ。
「ハァ…。」
「フフ。それじゃあ私そろそろ帰りますね?この後仕事も詰まってますし。」
「ああ。」
露伴はげんなりとした顔で京香を玄関まで送った。