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□A darling person Z
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「伊月君...あのね...」
「...」
小さい声で呟いた私、それに気づきもしない伊月に首を傾げる
ボーッと空を見て何かを考えてるようでどうしても声をかけられないでいた
付き合って2,3日はすごく話してくれて嬉しくて1人で舞い上がってるようなきもした、それでも嘘だって言うようなキスも伊月君はしてくれたのに...
やっぱりあなたは私を見ていない
知ってたの...伊月君が好きな人居て...それでその人とうまくいってないことを...その人は知らないけど伊月君の顔を見てれば分かっちゃうから...だから今ならいいかな?ってもしかしたら入る隙間が出来たかな?って思ってたの
私が想ってるように伊月君には伊月君の想ってる人がいて、私はただの邪魔者なの、知らなかったでしょう?
ごめんね...
私はあなたを手放せないでいて
今私があなたを手放したなら今すぐあなたはその人の元へ行ってしまうでしょう...?
私にも言ってくれない「好き」を言ってしまうんでしょう...?
いつまでも引きずっていちゃいけないことぐらい知ってるの
知ってても行動できない私を、伊月君は許してくれますか?
「伊月君...ボーッとして大丈夫?」
「...ぁ、うん」
「最近ボーッとしてるね...」
あなたの好きな人のこと考えてるの?
そう聞けたらどれだけ楽だろうか...
あなたが私のすべて...私はあなた以外いらないの、今は...
「...そうかな?」
「...うん」
会話がなくなって沈黙になって重い空気が漂う
この沈黙が...心地いいものになればいいのに...
あなたが好きになってくれれば、そうすれば心地いいものに変わってしまうのに
あなたが鳥なら私は鳥籠、あなたの想い人は飼い主
あなたの想い人はあなたを呼んでいるかもしれない...もし呼ばれなくてもあなたは今すぐにでもこの私という鳥籠から出たくて...もがいているの
でも私という鳥籠はあなたを出したくなくて、あなたをいつまでも...ずっと傍においておきたいの
滑稽ね、鳥籠を壊してしまえばいいのにどうしてそんなに出る場所にこだわるの?
鳥籠を捻じ曲げてくれればあなたを解放することが出来るのに、あなたも...その想い人もしないんだろう
出入り口から出て行くあなたを私は見ていられないの
私の気持ちが安らぐまで
あなたはまだその人に思いを伝えないで
私があなたを解放するから
私の好きな人
笑顔になって...
今までで1番綺麗な笑顔を見せて
あなたに幸せな人生を歩んでほしいの