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□家出
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炉威は椎茸の煮物を箸で持って見つめた
「美味しいよ。」
「うん。それは見てもわかる」
「食べないのか?」
「食べる。」
「…まさか俺に食べさせてもらいたいとか!?」
「いや、うーん…うん」
炉威は椎茸を食べてからデネブを見上げた
するとデネブは嬉しそうに炉威の隣に座って箸を受け取った
「じゃ、はいあーん♪」
「あーん」
「美味しい?」
「うん!…料理ができていいよね。」
「どうしたんだ急に?」
デネブは箸を下ろして炉威を真っ直ぐ見つめた
「私ね、結婚したらいっぱい料理作ってあげたいんだけど、」
「け、…こん?」
デネブはそれを聞いた瞬間一気に暗くなり、デネブキャンディーを床いっぱいにこぼした
「炉威は、結婚したい人がいるのか?」
「え、そういうわけじゃないよ!!ただ、もし結婚したとき、私よりデネブ……あ」
「え?」
デネブキャンディーの滝が止まり、二人は呆然と見つめ合った
そしてデネブは鼻血を垂らした
「デネブ!?」
「あ、ああ…まさか、俺?」
「う、うん…ごめん変なこと言って…」
「いや!!嬉しいぞ!!お、俺も炉威をお嫁さんにもらったらいっぱい料理作ってあげたい。料理なら俺が教えるから…だから、」
デネブは鼻血を拭って炉威の肩を掴んだ
「俺と、結婚してくれ」
「…はい。喜んで」
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