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□家出
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炉威はデンライナーを降りてからタイムカードをそのへんの扉に触れさせた


そして扉の中へ入った



「お邪魔しまーす。」


中へ入ると侑斗が昼食をとっている最中だった


「うぉっ!?炉威!?」

「侑斗ー。あれ、デネブは?」

「デネブならさっき食器洗いに行ったぜ。」

「そっか。」


炉威は侑斗の前の席に座った。


「…し」
「うるさい」

「……」


炉威はお皿の端に寄せてある椎茸を見つめて口を尖らせた

そこへデネブがエプロンを外しながら入ってきた


「お?炉威〜!!来てくれたんだな!」

「来たよデネブー!」


デネブは炉威の頭を優しく撫でた
そして侑斗のお皿に目を移した

「侑斗ー!ちゃんと椎茸食べないとダメじゃないか!」

「嫌だ!炉威が食べるって!」

「え、言ってな」
「な!?」


侑斗は炉威に必死で目で訴えていた
そんな侑斗を炉威は睨んだ


「(なんで勝手に決めちゃったーーー!?)」

「(お前椎茸食いに来たんじゃねぇのか―――!?)」

「(んなわけねぇだろーーー!?)」

「マジかよーーー!!」

「はい椎茸。」


そこへデネブが椎茸オンリーの煮物を炉威の前に笑顔で置いた


「あ、ありがとう…」

「よし、ついでにこれも食え!」


侑斗は自分のお皿から椎茸を笑顔で移した


「い、いただきます…」

「ごちそーさま。俺シャワー浴びてくるー。炉威も一緒に浴びるか?」
「侑斗」
「黙れ」


デネブと炉威の声が重なって侑斗は俯いてシャワー室へ向かった



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