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□MerryChristmas前編
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その頃炉威は金と仲良く並んで歩いていた
こういうのを漁夫の利という。
「今日は着物で来なくて正解やったなぁ。」
金はしみじみと冬空を見上げていった
「雪も降りそうや」
「そうだねー。金ちゃんあんまり薄着で生活してると風邪ひくよ?
着物着るならせめてはんてん羽織ってね?」
「せやな。風邪ひいたら炉威と喋れんようになってまうわな。」
「うん。でももしその時は看病しに行ってあげるからね」
炉威は笑顔で金を見上げると、金はおう、といって顔を赤らめた
しばらく雑談しながら歩いていると、スーパーに着いた
「んで、何を買うんや?」
「えーっと、注文しておいた七面鳥と、…あとキャンドル!」
「七面鳥か…炉威達が焼いてくれるんか?」
「うん!楽しみにしててね。キャンドルは飾り付けに使うの。」
「へぇ。本格的やなぁ。うちのクリスマスも。」
「金ちゃんはクリスマスよりお正月の方が様になるね。」
「ほんま?どのへんが?」
「炬燵で寝てるところとか」
「何や、俺がいっつも寝てると思ったら大間違いや!!」
金はいきなり声を上げて「宇宙キタ━━━(゚∀゚)━━━!!」ポーズをした
炉威は驚き、金の腕をグイグイ引っ張って下ろさせた
「わ、分かったから、お店の中で発狂しないで?」
「うーん、しゃあないな。お前の涙に免じて今日は大人しく引き下がったる。」
「いや、何時もにして」
二人はサービスセンターに向かい、注文したものを頼んだ
「えーっと、野上愛理さんですか?」
「代理の炉威です。」
「では取引書をお願いします」
「はーい」
カウンターは男性で、炉威を見ながら赤面していた。
金はと言うと、
「(アイツは何をニヤニヤしとんねん…うちの炉威をジロジロ見んなやアホ。見せモンとちゃうねんで。あー、はっ倒したろかな。いや、ダイナミックチョップでも一発食らわす方がええんか?どっちにしよか?…なんや眠くなってきた。)」
「ではどうぞ」
「ありがとうございます♪行こっか金ちゃん」
「あ、おお。行くか。それ持つで?」
「ほんと?これ結構重いよ?」
「俺をナメてると泣く羽目になるで?ほら。」
金は炉威から袋を奪うと得意げに笑ってみせた
「ありがとう。」
「惚れても知らんで?」
「ふふ、そうだね…」
炉威は少し赤くなった顔をマフラーに埋めて隠した
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