short

□alcohol
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時刻は11時半。
私はお皿やカップを洗ってからお風呂に入り、部屋へ向かった

「明日は頑張…?」

私の部屋から物音がする…
まさか泥棒?え、やだどうしよう…

金起こそうかな…でも迷惑だし…



「炉威行っきまーす!!」


勢い良く部屋に入ると、お酒の匂いが充満していた

そしてベッドの上には泥棒…じゃなくて金


「おう、炉威か…ック……俺もう生きて行かれへん〜…」

「え!?えっ…えっ!?
ちょっと待ってよ!金?」


私は部屋の扉を閉めて金を抱き起こした

「重…なんでこんなに…」

「なぁ炉威……」

「え、きゃっ!?」


俯いてクラクラしている金の背中をさすっていると、金はいきなり私をベッドに張り倒して上からしがみつくように抱きしめられ、金は私の首筋に顔を埋めた


「金?どうしたの?」

「……あかん。炉威。キスしてええ?」

「は、金!?」


金は私を見つめて顔を近づけてきた
目がトロンとしていてちょっと可愛いと思うけど…

「一ついい?」

「ええけど、聞いたらキスするで?」

「え、うん…あのさ、なんでこんなにお酒飲んだの?」


私はテーブルの上の5〜8本のお酒の空き缶を横目で見て金に目を戻した
すると金も空き缶を見てから私を見た


「…喉乾いて冷蔵庫あさったら出てきてん。…飲んだみたら意外といけたもんやからつい飲みすぎて………ええ?」

「え、ンッ」


金は言ったとおり、説明したあとすぐにキスをしてきた。
口の中にお酒の味が広がってきてそれから金の舌が絡んできたから変な感じがした

いつもあんまり飲まないでって言ってるのに…

なんて考えたいると酸欠になって頭がクラクラしてきたから金の着物の裾をギュッと握った

すると金は私の手を握ってから唇を解放してくれた

「はぁ……」

「あんまり飲んじゃダメだよ?」


そう言い聞かせると、金は私の隣に仰向けになった

「…これで良かったんや。…ヒクッ…」

「え?どうして?」


金は私を抱きしめて頭の上で言った

「こんなんならんとキスすらでけへん。俺はお前とキスしたかったんや。でもお前が嫌がったらって」

「金…」

「酒の力借りんでもキスできたらええのにな…」

「…金、」

「どないした?」


金が顔を下ろすと同時に、触れるだけのキスをした。

「…炉威?」

「金、私ももっとキスしたいよ。私、嫌じゃないよ。」

「…おおきに。」


金はまた私にキスをした。

お酒の味が薄くなっていたけど、
金の味がして少し嬉しかった。



 end
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