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□れっつくっきんぐ
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「……」
「……桃?」
「ん、ぉぉ…」
「指、大丈夫?」
「おう。こんなもんハナクソ女に暴力振られるよりはマシだ。」
「そ、そう」
俺はこの妙な空気をどうにかしようと動かねぇ頭をフル回転さたせ
「うーん…」
「そうだ!」
「どうした?」
炉威を見下ろすと上着を脱ぎ始めていた
「お、おい、やることないからってヤることねぇだろ!!///」
両手で目を隠して(指の隙間から見てるけど)狼狽するが、炉威はいやに落ち着いていた
「うん?な、何?」
「え?ヤんねぇの?」
「ヤ?」
目隠しを外すと炉威はピンクのチェックのエプロンをして長い髪を横にまとめていた
「これから桃達の為にプリンを作ろうと思いますっ!」
「プリン!?マジで!?プリン作んのか!?」
「うん、で、桃にも手伝ってもらいたいんだけど…」
「やるぜ!俺はプリンの為ならなんでもする!!」
「あはは、それじゃあ桃もエプロン着てね」
炉威は俺に赤いエプロンを渡した
赤って…
「これ…」
「ん?それね、実は今日桃と作るつもりで来たから、家から持ってきたの。買ってみたんだけど私には大きすぎだったし…貰ってくれる?」
「俺と…?」
「うん。いらなかったら無理して貰わなくていいよ?」
炉威が俺を見つめて微笑んだ。
あ、結婚しよっかな
「貰ってやるよ。……(ボソッ嫁に来い」
「ありがとう!」
よかった。聞こえてねぇみてぇだ
俺たちはキッチンへ向かった
キッチンにはちゃんと材料が揃っていて、既にプリンっぽい匂いがしていた
「まずは手を洗って」
炉威は腕まくりをして細くて綺麗な手を洗った
俺も腕をまくった
「ぅお、つめてぇなァ……どうした炉威?」
隣で炉威が俺の腕をじっと見つめていた
「桃の腕かっこいいなー。って」
「は、はぁ!?///」
「あっ!ごめん、忘れて!!///」
俺の腕がかっこいいだと!?
忘れろって言われたけど一生忘れねぇからな。
自分の顔が緩んでいるのが分かった
「…かっこいい、か」
「だから忘れてって!!///」
「分かったからそんな照れんなって。」
「照れてない!ほら桃ボウル持ってきて!」
「はーいはい。」
さっきとは一変、炉威と居て楽しく思えてきた。
やっぱ好き、なのか?
さっき俺のこと(腕)かっこいいって言ってたし……
もしかするとこりゃ…
「両想い…なんてな。だったらいいのになァ。炉威ちゃん」
俺はつぶやきながら炉威の前にボウルを二つ置いた
「ん?あ、ありがとう。じゃあまずは卵を割まーす桃と私で4コずつ。殻は入らないようにね」
「おう」
俺は炉威の手際の良さを見てから顔を見つめた
「……」
やっぱいいわ。
俺は殻が入らないように卵を割ってボウルの中に入れた
「よーし、出来たぜ」
「ありがとう!じゃぁつぎにー…」
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