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□ホントの僕と君
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「今日は全部僕の奢りだから、いっぱい楽しんでね?」

「ありがとう!じゃあまず何乗る?」


こういうところは子供っぽくて
ふとした瞬間に大人っぽいんだ

「うーん…あれは?」



僕はジェットコースターを指さした

直角に落ちていくコースターを見て炉威ちゃんは目を輝かせた

ほら、ほかの子は怖くなくても「こわ〜い」とか言うけど

「ジェットコースター…いいね!楽しそう!」

「行こっか」



コースターに乗る前、女の人が荷物を預りに回ってきた

「お荷物預かりまーす」

「それってメガネも入るよね?」


ナンパ口調で女の人に尋ねると、すぐに釣れてしまった

「は、はい!あなたのメガネなら私ずっと持っていてあげますよ?」


そう言えば今日は炉威ちゃんとのデートだったな。

ちらりと炉威ちゃんを見ると、隣の男にナンパされていた

本人はナンパだと気づかずに楽しそうにおしゃべりしている


「…メガネは彼女のバックに入れるよ。」


僕は女の人が残念そうに僕がもっていた炉威ちゃんのバックを受け取るのを見届けると同時に炉威ちゃんの肩を抱き寄せた

「あっ…」

「ちょっとお前さぁ、人の彼女ナンパするなんて頭おかしいんじゃないの?」

「はぁ?お前こそ彼女がいるのにあの女に色目使ってんじゃねぇか。」

「浦?」


あぁ。炉威ちゃんが怯えちゃってるじゃないか。

「…あの人、僕の姉さんなんだよ。夜遅くまで働いてると体壊すよ?って言ってあげただけだし…君さぁ、消えてくれない?」

「…チッ」


男は僕を睨んで列から外れて消えた

ほんとは殴ってやりたかった

僕が図星だったのもあるんだけど。


「浦…?」

「ごめんね炉威。僕がしっかりしないといけないのに…」


僕が炉威ちゃんから目をそらすと、炉威ちゃんはクスクス笑った

「もう…、浦。ありがとう。」

「え?」

「楽しむんでしょ?謝らないでよ。浦の癖は知ってるからさ」

僕の癖…

ナンパ癖か。
分かってて僕とデートしてるの?

やっぱり……


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