short
□MerryChristmas前編
1ページ/8ページ
時は平成23年12月24日
クリスマスイヴ
ミルクディッパーでは朝からクリスマスパーティーの準備をしていた
「炉威ちゃんクロス取ってきてくれるー?」
「はーい!」
と言っても男たちは働かず、桃は裏と龍とゲーム。
金はと言うと、何時ものように隅の席で居眠りをしている
「姉さん、炉威ちゃん、なんか手伝うことあるかな…?」
良太郎が申し訳なさそうにおずおずと尋ねると、
愛理がカウンターの奥を指さした
「じゃあ良ちゃんはあそこにあるお花持ってきてくれる?」
「あ、うん」
「お願いね」
良太郎は三人の暇人を横目で見ながら花瓶を持った
「良太郎、よそ見するとそれ落っことすぞー…うお!あぶねぇ!!」
「先輩落とし穴は?早く仕掛けてよ」
「あ、落とし穴なら僕持ってるよー」
良太郎はありがとう。と桃につぶやくと、歩き出そうとしたがやっぱりつまずいた
「うわぁ!!」
「あ、花瓶!」
「龍太落とし穴は!?」
龍はすかさず足を伸ばして、つま先にバランス良く花瓶を乗せていた
「良太郎!早く!早くしないと僕死んじゃう!!」
「え!あ、ごめん!」
良太郎が龍の足の上から花瓶を取って愛理の方へ向かうと同時に
ゲームオーバーっぽい音がなった
「あー!やっぱロア●ドロス強い!」
「あ゛━━━━!!報酬金0!!」
「先輩死にすぎでしょ。」
「うるせぇ!お前は人に任せっきりなんだよ!」
「だいたいロア●ドロスでこんなに苦戦するなんて僕は初めてだよ。」
三人はゲーム機の電源を切って立ち上がった
桃と浦は互いにどつき合っていた
「桃ちゃん達終わった?」
「おう。」
「じゃあ、誰か一人おつかい頼んでいいかしら?」
「僕は炉威といたいからパス」
「僕猫ちゃん達にご飯あげないとだからパス」
「俺暇だからパス」
「じゃあ桃ちゃんお願いね。」
「ええぇ!?酷くね?」
「だって桃ちゃんが一番強そうじゃない。桃ちゃんと一緒なら炉威も安心だしね。ね、炉威ちゃん」
「はい♪」
桃たちは取り敢えず顔を見合わせ、炉威を見た
「じゃあ準備して行こ?」
「待ってよお姉ちゃん!!僕だって十分強いよ!お姉ちゃんならわかるよね!?」
「龍太より僕の方が強いよ。先輩なんか一網打尽に出来るし!」
「往生際が悪いぞてめぇら!俺が買い物に行くんだよ!お前らは動物と戯れたりナンパしたりしてろ!!」
「そういう先輩は口が悪いよ。姉さん、僕炉威ちゃんといたいんだけど」
「お姉ちゃん僕に行かせてよ!」
三人が愛理に詰め寄ると、愛理は炉威の居た方を指さしてにっこり笑ってみせた
「炉威ちゃん、金ちゃんと行ったみたい。金ちゃんなら任せられるわね。」
「あんのバカァァァァァァァアアアア!!!」
*