boundary of spacetime

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朝起きるとリュウタは既に居なかった

そう言えば人間のままだった気が…




「んんー…」

寝起きで怠い体を無理やり起こして枕元に置いてあるパスケースを手にとった


「戻してあげないと…」


私は着替えてから食堂車に顔を出した



「おはようございまーす」

「おい炉威!!何で小僧だけ人間になってんだよ!!」

「うわっ、モモ」



食堂車に入るなりモモがつかつかと凄い顔(元からだけど)で私を入口のドアに追い詰めた



「モモは大人なんだから察して!」

「あぁ!?俺がガキだって言いてぇのかよ!!」

「そういうわけじゃないんだけど…」


私が答えに困っていると、モモの肩をリュウタが掴んだ


「炉威は話しやすいように僕を人間に変えたんだよ。」

「リュウタ…」

「けっ。そんなこと知ってらぁ」


モモはそう言って私とリュウタを交互に見てからさっきまで座っていた席についた


「じゃあ戻してもいい?」

「もうちょっとこのままでいたいんだけど、炉威が困るんなら戻ってもいいよ」



私別に困らないけど…って言っちゃうとリュウタは調子に乗ってずっと人間の姿でいるかもしれない。
私は一応頷いてリュウタにパスケースをかざした

リュウタはたちまち一日ぶりのイマジンへ戻った


「やっぱりこっちの方が僕らしいよね」

「うん。」


私はそう言ってモモが座っている席の相席に座った


するとモモはフンッと鼻を鳴らして壁の方をむいて角をぶつけた


「……(やっぱ面白いなぁ…)」

「何笑ってんだよ…」

「笑ってるように見えた?」

「ニヤニヤしやがって。」




モモはそう言って脚をテーブルから下ろした


「今日は良太郎居ないねー。」

「バイトだとよ。姉ちゃんとこでバイトして利益はあんのか?」

「さぁ…どうだろ。」



私はふと思い出した


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