boundary of spacetime

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朝目覚め、ここが自分の部屋じゃないと分かると、少し寂しく思った

でもここが私の部屋なんだ。これからもずっと…

机の上には紙袋が入っていて、ハナさんの手紙が添えられていた


“シャワー浴びたら着替えてみて。”

用意してくれたんだ…


「ありがとう…」


一人で呟き、一緒に置いてあったバスタオルと共にバスルームへ向かった







「皆聞きなさい」

「なんだよハナクソ女。また説教か?」

「うるさい。炉威に混ざってるイマジンについてよ。」


ハナがそう言って良太郎の前に座ると、イマジンたちが集まってきた
ハナは皆が集まるのを確認すると、話を始めた


「オーナーが言うにはバクのイマジン。」

「バク?なんだそりゃ?」

「僕知ってるよー!こういうのだよね!」


リュウタロスは自分のスケッチブックをみんなに見せた

「上が黒くてしたが白いね。ああ、これなら前に見たことあるかも。」

「夢を喰うアレやろ?」

「夢!?そんなの食って腹壊さねぇのか?」

「伝説よ伝説!で、そのバクイマジンの特殊な能力があるの。」

「どんな能力なの…?」


良太郎が声を小さくして尋ねると、ハナは頷いた

「物体の姿を変える能力。」

「物体の姿を変えるゥ?」


モモタロスが首を傾げて考えると、ウラタロスが分かりやすく説明した

「要するに、先輩をカッコイイ僕に変身させることが出来るってわけ。」

「お前に変身させられるなんざゴメンだぜ。」

「僕を良太郎にすることだって出来るんだよね?」

「まぁそういうことになるけど…対象は見たことのあるものだけ。」

「その力を炉威は使えるの?」


良太郎が尋ねるとハナは頷いた
するとリュウタロスが小さく声を上げた

「どうしたの、リュウタロス?」

「うん、何かね、僕が炉威に入ったとき、
細かくて小さい音がよく聞こえてたって言うか…耳が澄んでたっていうか…それに視力もいい方だったよ」

「耳と目が?」

今度はハナが尋ねると、リュウタロスは再び頷いた

「そんな能力はバクイマジンには無かったはず…もしかすると炉威自身の力なのかも。」

「そう言えばそうだったなぁ。最初俺が入ったときもスゲェ見えたし。足音で距離も分かったし。」

「へぇー。リュウタと先輩が入れるってことは僕も入れるってことだね?」

「馬鹿言わないで!炉威にまで負担はかけさせられないわ!
勝手に炉威の体に入らないでよね!」

「はーいはい。女の子だもんね。」


ウラタロスはくるりと後ろをむいてほくそえんだ


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