short

□憂鬱
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溜まっているんだろうか。
目の前の女がやけに美味そうに見える。まぁアレかもしれない。好きだからなのかもしれない。でも、ここまでムラムラしたことは無かった。過去に一度も。
今の状況を説明するとこうだ。
先ず、ここはデンライナー。の、炉威の部屋。炉威は座って雑誌を読んでいる。
俺は図々しくも奴のベッドで寝そべって奴を見ている。そんでこんな感じに襲われていることになる。なんだコレ。

「……オイ」

と、呼んでみると体を跳ねさせて俺に振り返る。「いたんだ」と一言。そりゃねぇだろ。確かに勝手に入って勝手に寝てたけどよ。俺は亀じゃねぇんだから。空気じゃねぇから。そんな扱いはしないでください。
俺は溜息をついて炉威の後ろに腰を下ろして抱き締めた。
うなじに唇を這わせ、べろりと舐める。炉威は肩をすくめて俺の鳩尾にエルボーをかました。残念ながら痛くも痒くもねぇ。

「止めてよ!」
「お前さっきまで俺のこと忘れてただろ。」
「私が記憶を忘れやすい人間でごめんね」
「お前普通に人間だろうが。変な言い訳すんじゃねぇ馬鹿」
「バカっていった方が馬鹿なんだよ!」

反抗してくるもんなら舐めたうなじに噛み付く。またエルボーかまされる。痛くも痒くもない。抱き締めたまま後ろに寝転がろうとするとベッドに頭をぶつける。笑われた。だから抱き上げてベッドに寝かせた。コイツずっと雑誌持ってやがる。

「お前なぁ。ムードってモンがあんだろ」
「桃が欲求不満なだけでしょ」
「ち、違うわ馬鹿野郎!」

多分図星。

「もしだぞもし!仮に俺が欲求不満だとしても、原因はお前だからな。」
「何で?」
「お前最近相手してくれねぇじゃねぇか」
「は?なにいってんの桃!?」
「俺はこんなにお前が好きなのに」
「へ、ちょっとあ、待って!だって最近って一週間前シたばっかりでしょちょっと桃!」


ああ、お前のせいだ。
好きすぎてどうにかなりそう


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