short

□GAVE ME
1ページ/1ページ




「ただいまぁー」


ミルクディッパーに入るけどライブラリーには誰もいない。あ、夜だから当たり前か。

カウンター席にはラップがかけてある私のための晩ご飯と、書置きがあった


“お帰りなさい。ご飯ちゃんと食べてね”


私は書置きを見つめてはーい、と呟いて席に着いた


電気は付けなかった。何故かってみんな起きちゃうだろうなぁって思ったから。

いただきます、と言おうとしたその時、
窓辺の席の椅子がガーっと動いた


「ひゃっ!?だ、誰!?何!?」


へっぴり腰&内股の最悪な佇まいで構える。
すると声が帰ってきた


「ん"んー……」

「え、金ちゃん?」

「おーん?」

「金ちゃんじゃん!なにしてるの!?」


床に倒れている金ちゃんに駆け寄って体を起こしてあげた。するとガバっと抱きつかれる



「炉威〜〜〜〜〜」

「なっ!ど、どうしたの?」


私は突き飛ばさずに背中をさすってあげた。


「なぁ、キスしてくれへん?」

「え!?」

「炉威からしたってや。お願い」



正直に言っちゃうと可愛くない。
寧ろ怖い。何企んでるんだろう…

金ちゃんの瞳が月明かりに照らされて金色に光る。


口元は不気味に歪んでいる。



「な、してくれへんなら俺からするで?覚悟はええな?」

「良くない良くない!今夜だから!私も金ちゃんも寝なきゃ!」

「ええやぁん。な?」


金ちゃんは背中から腰に腕を回し、額を額にくっつけてきた。


「な、何でそんなに…」

「キスじゃなくたって・ええんやで?」

「あ、じゃハグだけね」

「お前ほんまか?ハグでおさまる愛やないでぇ?」

「いやちょっと意味わかんないっすね。今日はダメ!眠いから!」

「いや聞こえへんなぁ?」

「は?ちょっとまじまってつかここライブラリちょっ!まっ!」

「ライブラリーはあかんな。俺らの愛の巣に行こか。」

「下ろしてちょとマジですか金ちゃん!」

「もうすぐもーっと可愛い声で呼んでくれるんやろな。」







GAVE ME YOUR LOVE


.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ