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□愛が欲しい
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「38.7℃下がらないね」


そう言ってベッドに横たわる浦の、熱く火照った頬に自分の冷たい冷え性気味な手の甲を押し付ける。
浦は気持ちよさそうに目を細めた


「うーぅ冷たい……気持ちいいね炉威の手」

「ホント何で風邪ひいちゃうかな。」

「君が移してくれたんだよ。粘膜接触で・ね♥」

「キモッ。」

「うーそだよ!行かないで!看病して!」

「キモイこと言わないでね」

「はーい」


何か龍太菌が浦にめり込んだらしい。子供っぽくなっている。高熱なのに何故こんなに元気なんだろうか。髪盛ってるし。そこまでしてカッコつけたいかこら

わたしは持ってきておいたお粥を浦に食べさせた

「はい、あーん」

「あーん♪」

「前もあったよね。看護婦に食べさせてもらってたっけ」

「それは昔の話。今の僕には君しかいないんだから」

「ふふ、そっか。そうだよね。私くらいしか浦釣れないもん」

「あはは、ははごっほ!!確かに君にしか釣られない自信はあるよ」

「そう。あーん」



弱ってんのか、逆に元気になってんのか。どっちにしろ風邪だから休んでもらわないと。
浦は食欲が無いらしく、半分食べてもうダメ、と言って食べなくなった


「むぅ、本当に大丈夫?」


辛そうな浦の頭を撫でてみる。

「フフ、風邪ひいて良かったかな。炉威が優しい」

「何時も優しいでしょ〜?」


そう浦は笑うけど、涙目で本当に辛そう


「辛い?」

「ううん。大丈夫」


嘘だぁ。私の手を握る浦の瞳を見つめる


「何か欲しいものある?」

「炉威が欲しいかな。それか愛」

「どうしようかな。浦が寝たらあげるかも。」

「今、今欲しいな。今くれたらぐっすり眠れる気がするし。」

「フフ、欲張りだね」


私は浦の唇に自分のそれを重ねた

暫くすると舌が絡んできてそれはまずいんじゃないか、と思って体を起こそうとしたけど腰に浦の腕が回ってきて動けなくなった

もういいや。風邪ひいちゃったからもうかからないでしょ。


「愛してる」


浦は小さな声でそう囁いた


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