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□お風呂
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「ぐがぁー……」

「/////////」



何故こんなことになってしまったんだろうか



私の向かい側には熊さんがお湯に浸かって眠っている

そして私もお湯に使っている


いわば混浴だ








それは多分私の見間違いだったのだろう




「良ちゃん、今度皆で温泉行く約束したじゃない?」

「え、そうだったね。」

「行くの?いいなぁ〜!私も家族欲しい!!」


ぼっちな私は何時ものようにミルクディッパーで良太郎とお話していた

私の悲しい発言を聞いた良太郎は苦笑いを浮かべながら私の頭を優しく撫でてくれた


「それで、私の代わりに炉威ちゃん連れていってくれないかしら?」

「姉さんは行かないの?」

「うん。私はちょっと用事があるから…炉威ちゃん、行ってくれるかな?」

「はい!喜んで!!」



それで温泉に行くことになったんだっけ。

山奥にある綺麗な景色を一望出来る温泉



「きれーい!秋っていいね!」

「そうだね。でも僕は紅葉なんかより君を見ていたいな」

「うん、ちょっと黙って」

「つーれなーいなぁ!」



そう言いつつも私の分の荷物を持ってくれてる浦にお礼を言うと、セクハラ発言をされた


良太郎と桃はホント仲いいよね。流石兄弟…兄弟…家族欲しいー

良太郎の案内で私達が泊まる部屋についた


「炉威には悪いんだけど…部屋は一つしかとってないんだ。ごめんね」

「いいよ!一緒に温泉連れてってくれるだけで嬉しいから!気にしないよ」


なんて言った私のばか


「早速温泉行きたいんだけど…早すぎたから今清掃中らしいんだよね。」

「なんだよ!俺ら温泉きたんだろ?」

「ま、いっかー!炉威遊ぼーよ♪」

「きゃっ、いいよー。何する?」


コラ龍太、抱き着いたら内臓出ちゃうでしょう
でも許して一緒にトランプで遊んだ


「そう言えば金ちゃんと話してないような気がするんだけど…来てる?」

「熊ちゃんなら寝てるよ」



混ざってきた浦は、縁側…?の方を指さした
そこにはいつも通り黄色の着物を着た金ちゃんが柱に寄り掛かって居眠りをしていた


「…//////」

「どうしたの炉威、早く引いてよー」

「あっ、うんごめん!」



その時金ちゃんにドキッとしたのは内緒



しばらくババ抜きをやっていると、龍太が「飽きたー!!」と投げ出してしまったので何か策を考えた


「そうだ、じゃあ私がマジックしてあげる!」

「僕はいつも君に魔法をかけられてるよ?」

「うん黙って」

「素直じゃないなぁ!」

「気持ちわりぃんだよ亀!」

「マジック!?出来るの?すごーい!!」

「すごいね炉威」


いえいえ、これだけが取り柄ですから


私は良太郎が引っ張り出したテーブルの上でトランプをきった

見よこのトランプさばき



「先ず、これはさっきまで触ってたから分かったと思うけど、種も仕掛けもありません。桃さん確かめてみてください」

「桃さんって言うなコラ。」


桃は悪態を付きながらもトランプを隅から隅まで観察した

可愛い!


「普通だな」と桃は私にトランプを返した


「じゃあ龍太、この中から好きなカードを私に見えないように引いてください」

「はーい」


私は目を閉じた
すると何故か背中に温もりがー…


「ね、ねぇ良太郎、後ろに何かついてる?」

そう聞くと同時に目を塞がれて、耳元に誰かの息が掛かった


「誰やろなぁ?」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!き、金ちゃん!?」

「なんだよ熊公!!イチャついてんじゃねぇ!今マジックやってんだよ!」

「かまへんかまへん。」

「(何か離してもらえなさそうだなー…もういっか。落ち着くし。)じゃあカード選んだ?」

「そのままやるの?」

「熊さん離してくれなさそうだったからね。」

「選んだよー!このカードどうするの?」

「それを、このカードの山の真ん中に入れてください」

「はーい」

「入れた?」

「うん。」

「じゃあ私が指を鳴らします。」


私はパチンと指を鳴らした
あ、コレ幸太郎やってたほうが似合うな。


そしてカードの山の一番上のカードをめくった


「龍太の選んだカードはこれですか?」

「すごおおおおお!!それだよそれー!!なんでなんでー!?うわー!!」

「え?え?これマジックっていうより」

「超能力…だね」

「ほぉー!お前スゲェな!」

「うん!すごいでしょ!」

「ほんますごいやん。」

「でしょー?離して?」

「おん。」


金ちゃんは大人しく私を離してくれました。


それから暇潰しに皆でマリカーやったりニューマリやったりマリバスやったりマリオ尽し。


「この亀ェ!!俺の邪魔すんじゃねぇ!!」

「ちょっと桃!落っちゃったよ!」

「それは良太郎の自業自得ってやつだろ」

「やったゴール!僕一番♪」

「何やコレ。壁突き破られへんの?」

「金ちゃんアホだなぁ。金ちゃんならできると思うけどコレゲームだから。車が壊れたらレースできないでしょ?」


皆仲良いなぁ。生憎マリバスが私の十八番。

ていうかもう眠くなってきたから皆に言って先に部屋の端っこで眠ることにした。
布団がいい感じにあったかくなってすぐに眠りについた



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