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□MerryChristmas前編
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時は平成23年12月24日

クリスマスイヴ


ミルクディッパーでは朝からクリスマスパーティーの準備をしていた


「炉威ちゃんクロス取ってきてくれるー?」

「はーい!」


と言っても男たちは働かず、桃は裏と龍とゲーム。
金はと言うと、何時ものように隅の席で居眠りをしている


「姉さん、炉威ちゃん、なんか手伝うことあるかな…?」


良太郎が申し訳なさそうにおずおずと尋ねると、
愛理がカウンターの奥を指さした

「じゃあ良ちゃんはあそこにあるお花持ってきてくれる?」

「あ、うん」

「お願いね」


良太郎は三人の暇人を横目で見ながら花瓶を持った

「良太郎、よそ見するとそれ落っことすぞー…うお!あぶねぇ!!」

「先輩落とし穴は?早く仕掛けてよ」

「あ、落とし穴なら僕持ってるよー」


良太郎はありがとう。と桃につぶやくと、歩き出そうとしたがやっぱりつまずいた


「うわぁ!!」

「あ、花瓶!」

「龍太落とし穴は!?」


龍はすかさず足を伸ばして、つま先にバランス良く花瓶を乗せていた

「良太郎!早く!早くしないと僕死んじゃう!!」

「え!あ、ごめん!」


良太郎が龍の足の上から花瓶を取って愛理の方へ向かうと同時に
ゲームオーバーっぽい音がなった

「あー!やっぱロア●ドロス強い!」

「あ゛━━━━!!報酬金0!!」

「先輩死にすぎでしょ。」

「うるせぇ!お前は人に任せっきりなんだよ!」

「だいたいロア●ドロスでこんなに苦戦するなんて僕は初めてだよ。」


三人はゲーム機の電源を切って立ち上がった
桃と浦は互いにどつき合っていた


「桃ちゃん達終わった?」

「おう。」

「じゃあ、誰か一人おつかい頼んでいいかしら?」

「僕は炉威といたいからパス」

「僕猫ちゃん達にご飯あげないとだからパス」

「俺暇だからパス」

「じゃあ桃ちゃんお願いね。」

「ええぇ!?酷くね?」

「だって桃ちゃんが一番強そうじゃない。桃ちゃんと一緒なら炉威も安心だしね。ね、炉威ちゃん」

「はい♪」


桃たちは取り敢えず顔を見合わせ、炉威を見た

「じゃあ準備して行こ?」

「待ってよお姉ちゃん!!僕だって十分強いよ!お姉ちゃんならわかるよね!?」

「龍太より僕の方が強いよ。先輩なんか一網打尽に出来るし!」

「往生際が悪いぞてめぇら!俺が買い物に行くんだよ!お前らは動物と戯れたりナンパしたりしてろ!!」

「そういう先輩は口が悪いよ。姉さん、僕炉威ちゃんといたいんだけど」

「お姉ちゃん僕に行かせてよ!」


三人が愛理に詰め寄ると、愛理は炉威の居た方を指さしてにっこり笑ってみせた

「炉威ちゃん、金ちゃんと行ったみたい。金ちゃんなら任せられるわね。」

「あんのバカァァァァァァァアアアア!!!」




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