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□れっつくっきんぐ
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別に好きってわけじゃねぇんだ。
いや、嫌いでもねぇんだが……
「だぁぁ、もう!!」
「なーにやってんの?桃」
「小僧…お前には関係ねぇ」
俺は足を組んでそっぽを向いた
すると龍は俺めがけてシャボン玉を発射しやがった
目の前でパチパチシャボン玉が割るが怒る気にもなれないし避ける気にもならねぇ
全部アイツのせいだ
「あれ〜?なんで怒んないの?」
「そんなに怒られたかったらハナクソ女にでも頼めってんだ。」
「ん〜…あ、今日炉威ちゃんとデートするんだった!」
「何ィ!?」
俺は炉威の名前に反応してテーブルの上に立ち上がって龍を睨んだ
すると龍はくるりと振り返って俺の目の前に指を突き刺した
「ハハッ!引っかかったー!」
「なっ!!//////」
「桃顔赤ーい!!あははは!」
「この小僧!!」
俺は恥ずかしくなって龍を追うのを止めた。
そして椅子にふんぞり返って目を閉じた
「……ったく」
その時店の扉が開く音がした
ギィ…
「来たよ良太郎さん!」
「わーい炉威ちゃんだ〜!!」
「龍〜こんにちは♪あれ、他の皆は?」
「熊ちゃんはそこで寝てるよ。あ、浦は良太郎とお姉ちゃんと買い物。桃はあそこでなんかやってるよ」
「なんか?あ、ホントだ」
扉が開いて誰か入ってきたは良いが生憎今絶賛お悩み中なんだよ
「ハァ…」
目を開けると、間近に悩みの種が居た
「なにしてるの?」
「ぅおっ!?///な、お前か!!」
「アハハ、桃おもしろーい!!」
「うるせぇぞ小僧!!で、」
俺は赤くなって熱い顔を隠そうとうつ向きがちに炉威に尋ねた
「今日はど…どうしたんだよ」
「うん、実はね……」
「炉威ちゃん?」
「…どうした?」
突然暗くなるもんだから俺は焦って炉威の肩を掴んで顔をのぞき込んだ
「…暇なんだ」
「…は?」
「うん、暇。暇なんだよね。遊びに来たんだ〜!」
炉威はさっきの雰囲気を全部ぶっ壊す笑顔で俺を見た
眩しいぜ全く
「じゃあ僕と遊ぼうよ!桃は何するかわからないし♪」
「あぁ!?なめんなよガキ!俺が遊んでやるからあっち行こうぜ」
俺は自分の部屋を指さした
その指をすかさず龍におられた
「ぅおぉっ…!!てめぇ…」
「炉威ちゃんが決めてよ。もちろん僕だよね?」
俺が人差し指の激痛に悶えてんのにこのアホは炉威を口説きに行った
「えー…せっかくだし皆と」
「答えは言わなくていいよ。じゃ、僕はお友達とダンスする約束してたから!二人で遊んでてよ。」
「え?あ、行くならあったかい格好してってね?あと人に迷惑かけないこと!」
「はーい♪」
俺が指を押さえながら龍のめっっずらしい空気の読み具合に驚愕していると、龍はマフラーを巻いて店を出ていった
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