poem
□僕が月を愛する理由
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かさぶた
傷ついて
傷ついて
流れたのは
透明と赤
止まって
乾いた
忘れていく
その為に
その途中
無性に疼いて
無意識に
掻き毟った
僕の爪は
思ったより
凶暴で
痛い
僕の手が
こんなにも
鉄の錆びた
匂いなのは
それだけ
傷ついて
傷ついてきたって
事みたいだ
ちょっとだけ
我慢すれば
忘れていく
それなのに
我慢出来ずに
掘り返す
だからって別に、
Mじゃないから。
アレ?
いつの間に
出来たんだろう?
そしてまた僕は
自分で傷を
深くする
整然と
切り揃えられた爪で
明日まで
忘れないように