gintama
□僕は君に恋をする2
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――1週間後――
「しっ白夜叉!」
「どうして貴方がっぐはぁっ」
確かに、ヅラの言った通り、それなりに大きな会合だったらしい。
ざっとみて30人弱。
憧れと畏怖の混ざったような視線に、思わず吐き気を催す。
気持ちが悪い。
そんな相手に木刀を向けるのは、ずいぶんと精神にくるものがあった。
「しっ白夜叉!貴方は何故戦わないのですか!それどころかどうして我々に刃を向けるのです!我々の働きであの男は」
「黙れ」
もう、聞こえる悲鳴は少ない。
俺はここにくるにあたって、ヅラをはじめ、誰にも連絡をしなかった。
俺の手でけじめをつけたかったし、戦力面でも一人で十分だと思ったからだ。
「なるほど白夜叉!貴様はもう、我等が英雄だった貴様ではないということかあ!」
「英雄になったことなんざ、一度もねえんだよ」
「おのれえ!我等が貴様の為にどれほど時間をかけて計画したと思っているのだ!」
「俺の為?笑わせんなよ。戦争に負けて行きどころのない感情を、俺に転嫁しただけだろ?勘弁してくれや」
「ふざけるな!!」
「そりゃこっちの台詞だ。人のもん傷つけて…ふざけんな」
自分でも驚く程に低く冷たい声色は、そのまま眼光に反映されていたようで、男が息を詰まらせ後退りしたのが分かった。
分かりやすく、これで終わりだと木刀を振りかぶった瞬間、男が笑うのが見えた。
男を薙ぎ倒してぐるりと首を回すと、銃をもった別の男が立っていた。
――打たれる…っ
反射的に身構えたが、体が倒れたのは男の方だった。
倒れた男の後ろには、煙を纏う、黒服の男…―
「…ひじ……か、た…?」