デジモン

□貴方のためなら死んでもいいと言ったらどうしますか?
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デジタルワールドのある暗闇の中、禍々しくそびえ立つ城の中に、
たった一匹の猫の姿をした聖獣型デジモンが歩いていた。



「テイルモン」
「・・ウィザーモン・・」





前からかけてきた、魔人型デジモンウィザーモンがテイルモンと呼ばれた先程の聖獣型デジモンの所へかけてきた。



「何か用か?」
「そう言う訳ではないですが・・・っと、ケガをしているではありませんか」




ウィザーモンはテイルモンの腕に負っていた微かな傷を目ざとく見つけ、
指摘するとテイルモンは傷を負わされたのが不快だったのか苦渋の顔をした。



「フン!これぐらい何ともない」
「しかし、手当をしないと・・・」
「そんなもんはいらん!さっさとどっかいけ」


「そう言うわけにはいきません。さ、手を出してください」
「いらんといっているだろ!!」
「っつ!!」




ウィザーモンがテイルモンの手を取ろうと自分の手を伸ばした時、
その手を振り払ったテイルモンの爪がウィザーモンの手を引っ掻き、傷を負わせた。
かなり深く抉れたのかいつもポーカーフェイスのウィザーモンの表情が痛みに崩れた。





「す、すまん・・・」
「いえ、私の不注意ですから・・・」
「しかし・・・」

「責任を感じるなら、私にその傷を治させてください」
「・・・・わかった・・・・」





そういうと、テイルモンは大人しくウィザーモンに手を差し出した。
ウィザーモンはその手を取ると、このデジタルワールドの言語では無い言葉を唱えると、みるみるうちにテイルモンの傷が癒えていった。





「はい。あまり無茶はしないでくださいね?」
「フン。これは不意をつかれたせいだ」
「そうなんですか?まぁ、いいですが、今度からは怪我した時は言って下さいね?」
「・・・・ああ・・・っておい!ちょっと待て!!」




この場から立ち去ろうとしたウィザーモンをテイルモンは呼び止めた。
ウィザーモンはすぐに振り向くと、どうしたのかと問いかけた。





「お前、自分の傷は治さないのか?」
「私の事は気にしないで下さい。これぐらい大丈夫ですので・・・」
「私にはあんなことを言っておいて、自分の傷は治さないとはどういう事だ!手当てしてやるから私の部屋にいくぞ!!」





テイルモンはウィザーモンの手を引っ張り、強引にヴァンデモンに与えられた自室に向かった。
部屋に付くなり、包帯を持ってきてウィザーモンの手にキレイに巻き付けようとした・・・。


が、テイルモンは不器用なのか爪のせいなのかは分からないが、上手く巻けずにいた。




「テイルモン、貸して下さい。自分でやりますよ」
「うるさい!私は借りをつくるのは嫌なんだ!最後まで私がやる!」
「・・・そうですか・・・・」





意地になったテイルモンに何を言っても無駄だと知っているウィザーモンは大人しく、テイルモンが満足いくまでやらせることにした。


幸い、今日の仕事は二人とも全て終っているからどんなに時間をくっても怒られはしない。







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