復活
□新しい知識2
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「おやおや、用意周到と言いますか何と言いますか…このチョコレート、少し溶けていますね?」
「飴だと思ってたからポケットに突っ込んでたんだよ」
ディーノはそれが何かとは言わなかった。ただ、この包装のチョコレートは普通箱に入っているような類のものだったから、飴と間違えたのは無理もないことだった
「なるほど、ならコレは君の体温で溶けたということですね。…いい味がしそうですよ」
「変態…それとも悪戯のつもり?そういうのは嫌がらせって言うんだけど」
「おや、そうなんですか。クフフ…彼は素敵な悪戯をして行かれたようですね?」
骸は目ざとく雲雀の首に咲く紅い華を見つけ、わかりやすいように自分の首を雲雀のそれと同じ位置で指してみせる
「!」
「妬けますね」
ふと、今目の前で離していたはずの骸の姿が消え、気がついた時には後ろで腕を掴まれ、ディーノのキスマークの上からさらにキスマークを付けられた
「それに免じて今日はこれで帰りますよ」
「…気が済んだら早く離して」
雲雀の言葉を受け、素直に手を離す骸。
「いつかあなたをこのチョコレートのように溶かせてさしあげましょう」
「その前に咬み殺してあげる」
「クフフ…それでは、また」
そう言うと、骸の足元から霧が立ち昇り、骸が完全に包まれたところで視界が開け、そこにはもう何も残ってはいなかった
「結局悪戯して帰るんじゃない…」
その日から雲雀の脳には「ハロウィンは無条件で悪戯する日」と記入されたとか。