ギアス
□スザク誕生日記念
1ページ/2ページ
「誕生日おめでとう、スザク」
そう言って、彼は一輪の花を差し出した。
昔も、君は僕の誕生日にこうして花を贈ってくれた。
ブリタニアから人質のように日本に連れて来られて自由にできるお金のなかった頃、せめて形あるものを贈りたいと、君が選んだのが“花”だった。
初めてくれた花は向日葵。僕が笑った様によく似ているからと言って微笑んで。
君のそんな気持ちと僕に向けてくれた笑顔が嬉しくて、自分でも驚くほど喜んだのを覚えている。
しばらくしてこの国はブリタニアに占拠されて、君とも分かれてしまった。
あれから何年が経ったのかな。
久しぶりに会った君は、ゼロとして僕の前に立っていて。
国を揺らし、皆を騙し、大切な人を奪った。
僕に捕えられて、記憶を奪われ、泳がされて。その記憶が戻ったかはわからないけれど、君はこうしてまた花をくれた。
大切な人を奪ったことに理由があったんだと、根は昔と変わらないのだと、君を信じていいのかな。
今はただ、君と君のくれた向日葵に感謝の気持ちを返そう。
いつか君を許させて。
ルルーシュ。
あとがき→