おお振り

□ある日のおにぎり
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泉「やりい!いくら入り!」

昨日の氷オニでトップになった泉の本日のおにぎりは、大好きないくら入り。幸せをかみ締めていた泉のその横で、バタバタと騒ぐ馬鹿2人がいた。

田「具をくれー!」

水「あげないよー!」

1位ではなかった田島は例の如く最下位。極端な結果を残した証のおにぎりに具はなく、それでもいつもは大人しく頬張っていたのだが、今日は水谷に具をチラつかされたため争奪戦が繰り広げられていた。

水「ちょっともう勘弁してったらー!」

田「そんな見せびらかされたら我慢できねーよ!」

花「お前らいい加減にしねーとそのうちおにぎり落っことすぞー」

ガッ

田「うあっ!」

花井が注意したのもつかの間、水谷を追いかけるのに必死になっていた田島はベンチに足を引っ掛けるという普段ならしないであろうミスをしでかした

ボテッ

せっかくの花井の忠告も虚しく、例え具なしだろうとも練習で疲れ空腹になった田島にとって貴重なそのおにぎりは無残にも地に落ちた。

田「俺のおにぎりー!」

水「うわわっ!ごっごめっ!」

花「言わんこっちゃない」

田「おにぎりがー!こんなんじゃ腹がもたねーよー!」

泉「あーもーしょーがねーなー。うっさいったらないぜ」

いつまでもぎゃいぎゃいと騒ぐ田島を大人しくさせる方法は1つしか浮かばない。

泉「田島ー?」

田「んあー?もがっ!」

泉「それやるから、大人しくしてな」

田「あんばぼー!」

泉におにぎりを丸ごと1つ頬張らされたため、うまく離せないが田島はお礼を言ったつもりらしい。

泉「おー。」

花「いいのか泉。せっかくお前の好きないくら入りだったのに」

泉「いんだよ。あーでもしないとうるさいままだからさ」

花「そっか」

(なんだかんだ言ってこいつやさしーんだよなー)


その後、水谷が泉にひたすら謝り続けている姿を部員全員が目撃したとか。



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