◆book◆

□君の手
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さっきから降り続いたままの冬を誘う連れる雨
見事なほどこの僕を隠すように―――――。


君に言えたら良かった言葉
『ありがとう。たくさんの日々を―――――。』

僕はまたこうして少しずつ あの日々を忘れてしまうのかな?


僕の好きな笑顔をもぅ少しでも忘れたく無いんだ。


僕に振り続けたその手は優しかった。
何気なくだけど強く僕はいつも守られてた。

今さら気づいても
もぅ、ここには君はいないのにね。
それでも僕は君が大好きだった。


この部屋から見えるものすべて今はもぅ色褪せて見える。『君がいた。』
それだけで僕の見る物は特別だった。



今度は僕が強くなって守る番だから。
僕は行くんだ。
君の元へ。



まだ、降りやまぬ雨はやがて花を咲かすだろう。
僕を隠す為じゃなく



まだ見ぬ花を咲かすのだと。
 

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