薄暗い部屋。 ベッドの横にあるランプだけがぼんやりと私の顔を照らす。 そんな部屋の中で私はアノ人を待っていた。 深紅の瞳を持った、アノ人を・・。 だが、もう何時間も待っているが一向に来ない。 早く来ないかな・・・。 傍においてあったチョコを勝手に食べた。 チョコは口の中でスゥっと溶けて、すぐに消えてしまった。 甘い香りが残り、口いっぱいに広がる。 そういえばアノ人との初めてのキスをしたときも、チョコ食べてたな・・・。 突然私の部屋に来て、私のファーストキスを奪ったんだ。 初めてのキスはこのチョコと同じ甘い味がして・・・。 大好きな、私だけのアノ人。 もうそろそろ来るかな? ガチャッ ほら来た。 コツコツコツ・・ 『お帰りなさい。』 「おとなしくしてたじゃねぇか・・・」 私に軽くキスをして、隣に座る。 『私はいつもおとなしく待ってますよ?』 「フッ・・・」 腰に手を回して私を引き寄せる。 私はまたチョコを口に入れた。 それを確認してからもう片方の手で私の顎をつかみ深く口付ける。 『んぅ・・』 息が苦しいのにとても心地よくて・・・。 「甘ぇ・・・」 甘いものは嫌いなはずなのに、「もっと。」と言うように下を絡めてくる。 そして私を押し倒し、 「もう息上がってんのか?・・・まだこれからだぞ・・・」 その顔がとてもかっこよくて、見とれてしまう。 でも私があなたの一番好きなところはその、美しいルビーのような深紅の瞳。 その瞳で見つめられるだけで溶けてしまいそう。 私だけの瞳。 その瞳は私だけを見ててね?大好きだよ・・・。 ●● |