dream
□八方美人はお互い様
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「…っ!」
毎日の厳しいリハビリ。
担当の医者には「頑張りすぎ」なんて言われるけど、頑張らなくちゃいけないんだ。
『まーーたアザつくって。』
「ぅ…ゴメン」
『佐久間くんが謝る必要はないでしょ?』
「でも…」
真帝国の事件から2週間。
全然動かなかった体も今では手すりにつかまってなら歩ける状態。
俺の支えは帝国のみんな。
その中でも特別なのは、名無しさん。
『八方美人はいけないよ?』
「ああ、わかってるけど…」
それが俺の短所なのだ。他人に気を配りすぎて自分が後回しになる。
『でも佐久間くんは美人だからな〜』
ケラケラと訳が分からないことを言う。
「お前のが美人だろ?」
バカなこと言わないで、と顔を赤らめながら否定している。
…本当のことなのに。
『あー、もう寝る時間だよ!ほら、早く寝て!』
病院生活になってから就寝時間は午後9時半。…はやすぎる。
『今日もさっくんが寝るまで傍にいまーす♪』
「ん…ありがと…///」
恥ずかしいが最近はこれが日常だ。はやいとか言ってるけど、毎日のリハビリのせいでベットにはいって5分で俺は眠りにつく。…らしい。
『寝たら帰るから心配しないで、美人さん。』
知ってるんだぜ?
そう言っときながら、朝まで一緒に居てくれること。
心配だけど、大好きな名無しさんに甘えていたいから。
八方美人はお互い様