オリジナル

□陛下と愉快な下僕達 〜リクエストの悠愁悠〜
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布団の中でもぞもぞと期待に胸を膨らませていると、静かに静かに扉が開かれる気配がした。ばくばくと脈打つ心臓を抑えながら寝たふり続行。ふわ、と優しく布団が捲られ上から声が降ってくる。

「…悠。起きて、朝だよ?朝ご飯も出来てる」

すると、今にも起きましたー、とでも言わんばかりの演技で駄々をこねる俺。

「…あと10分……」

「10分?仕方ないなぁ…。10分だけだからね」

やった、これでまた起こしに来てくれるかな?わくわくしてにやけそうになるのを必死で堪える。布団越しに、目覚まし時計のアラームを弄るような音が聞こえる。目覚ましで起こしてくれるのかな。

…ん?目覚まし?

え、何起こしてくれないの!? 目覚ましなの?俺目覚まし?そりゃあ確かに春とか起こさないといけないだろうけどさ、でも目覚まし時計は酷くない!?
思わず目から溢れた塩水をシーツに吸わせる。と、がさごそ何かを脱ぐような気配。春起こしに行くのに脱ぐ必要ないのに。

そして、俺の被っていた布団の中に入ってくる細めの体。

「悠、ちょっとそっち寄って…僕も寝る。…まぁ、10分しか無いんだけどさ」

……。

ハイ喜んで―――!!!!

ごそごそと控え目に擦り寄ってくる体を迎え入れる。俺の胸に頬を擦り付けるようにしてくるからマジ可愛い。俺の腕枕ですり寄ってくる愁。何だ、ただの天使か。

「お休み、悠」

「…お休み」

細い脚と俺のそれとを絡ませ、温かい体を抱き寄せて。俺達は心地好い微睡みに身を任せた。


続きます。
これも元はルーズリーフってことは内緒☆
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