エゴ

□I hate you
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先程から彼の怒りは止まらない。叫んで、叫んで、叫んで、壊して、泣いて。泣いて、泣いて、泣いて、また、壊して。

「何なんだよ!何なんだよ!あああああああああああ!!!!」

全ての感情が爆発したように叫び喚き泣く。部屋はもう破壊しつくされていた。
ずっと大切にしてきた本も写真も何もかも掴んで落として叩きつけて。もうただ一つを除いてなにも壊すものの無くなった部屋の中、彼は何かからその身を守るかのように、まるで全身が痛むかのように体を丸めて頭を抱えて咆哮する。その場の空気が震えて崩れていくような声をあげてただ叫ぶ。

「…」

不意に静まり返る室内。膝をつき項垂れたままの彼から聞こえた小さな叫び。

「もう、死にてぇ」

ははっ。

何を言っているのか分らなかった。何を言ったのか分らなかった。

是非死んじまえこんな奴。そう呟いて立ち上がる、ふらりふらり立ち上がる。最早もう一人の事など見えていないかのようにそのすぐ横を通り消えていく。
ゆっくりとしたその動きを目で追う、覚束ない足取りは窓を目指しているように見えた。

開け放たれた扉、その淵に足をかけ彼はこちらを見る。

「お前の逝く所が天国じゃないといいな」

そう嗤って、落ちた。


 *
 *
 *


「大変でしたね」

目の前の制服姿の男が言う。ルームメイトに暴行されて動けなくされた上、その自殺シーンまで見ることになるなんて、と苦笑する。

「話せますか?」

どうせ話さなければ帰らないのだろう?

「…あの、」

「大丈夫ですよ」

痛む体、傷だらけの頬、包帯で白く染まった頭。これが俺の現状だ、彼に与えられたもの。
男の台詞を遮って出した声は相当に低かった。

「…はい、はい。では、その時彼は錯乱していたと」

いくつかの質問に答え、いい加減帰ってくれと切り出そうと口を開く。

「ああ、そうでした」

今度はこちらの台詞が遮られる番だったか。

「一つ、お伝えすることが」

ぱりん、少し足を動かすだけで何かの壊れる音が鳴り響く。あの窓に軽く腰掛け室内を見渡すと、割れた鏡が見えた。
ひび割れた表面に手を当て感じる冷たさと漸く訪れた喪失感。彼のしたようにゆっくりと窓を見る。

歪んだ口元と目が合った。




終われというか早よリクエスト書けゴルァ
 

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