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□陛下と下僕とクリスマス
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「陛下ー!メリークリスマス!ほら見て見てー!サンタさんからプレゼントきた!」

朝起きたら、いきなり春がお出迎えしてきた。随分と前から待ち伏せていたようで、耳が真っ赤になっている。手には、昨夜こっそりと置いておいたプレゼント。わしゃわしゃと撫でてやれば、陛下はサンタさん来たのと笑顔で聞かれた。

「んー?今年は何も頼んでないからな」

「そっかぁ」

悠と和も起こしに行こう!元気よく駆けていく後ろ姿を眺めながら、悠と和は起きているだろうか、と思考を巡らせた。

部屋に着くと、まだ起きていないようで微かな気配を感じ取ることができた。

「さてと」

私の手にはノコギリ。

「行きますか」

春の手には肉厚の鉈。

「「メリィィィクリスマァァァス!」」

ばぁん、と扉を蹴り破る。悠と和がいると思われたその中には、

「ふぉっふぉっふぉっふぉ。メリークリスマス」

赤い服に白い髭をたっぷりと蓄えた、太り気味のおじいちゃんがいた。

「……え」

サ ン タ ?

「ふぉっふぉっふぉっ。どうしたのじゃおぬしら。そんな固まってしもうて」

何か不都合でもあったかの?と笑うサンタ(?)。いやいや、あんたがここにいることが不都合なんだよ。

「…春」

「んぁ?」

「……悠達、探してきな」

とりあえず、この赤い不法侵入者に春を近づけたくない。







「――と、いうわけで陛下の所へ行こう」

「「サンタ見つけちゃ駄目だろオイ!」」

「見つけちゃったもんは仕方ないだろ!? そもそも、朝なのにまだ帰ってなかったサンタさんが悪いんだろうが!さっさと帰んねえから見つけられるんだろ!プレゼント置いたら早に帰れよ!!」

悠と和を探しに行き、事情を説明したら何故か怒られたので反撃した。いや、だって悪いのは十中八九サンタさんでしょ。

そんな訳で、記憶を頼りに陛下の下へ馳せ参じる。扉はもう外れてるから、後で直さないとなぁ。

「なぁ春、」

「ん?どした?和」

「……陛下、目の前に、いる」

 え

ギギギギギッ、と音が鳴りそうな動きで前を向く。と…。

「いやぁぁぁぁああ!?」

ほぼ0距離に陛下発見、あんたは前日本最強か!

「そんな悲鳴上げるな、耳痛くなる」

「いやソレ悪いの陛下だからってゴメンナサイ鉈向けないで」

私が置いていった武器を使うとは卑怯だよ陛下。

続きます。
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