novel
□社内旅行 C
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緊張をほぐそうと、絵梨はいつしかかなりの量を飲んでいた。頬が上気し、視界がぐらつく。
「大丈夫?ちょっと酔った?」
西川係長が少し心配そうに顔をのぞきこんできた。
「あはは…ちょっと飲みすぎました…」
とろんとした目で、酔いにまかせて係長をじっと見つめた。
係長は顔色を変えず、不自然に生真面目な表情で絵梨を見つめ返した。
(西川係長…?)
二人の視線がしばらく絡み合った。
やがて、絵梨の方が堪えきれず、目を逸らした。
外の空気でも吸って酔いをさまそうと思った。
すると、男性の仲居がやってきて、若い社員に何か話しかけた。
相談が終わると、仲居は改まって全員に向かってこう言った。
「皆さま、お楽しみのところお邪魔させていただきます。よろしければこれより、この地域にまつわる怪談話をさせていただきたいと思いますがいかがでしょう…」
怪談かぁ…
絵梨はぼんやりして席を立つタイミングを失った。
周りから賛成の声があがり、膳が片付けられだした。
仲居を囲む形で全員が半円に座ったところで電気が消えた。
「おぉーっ本格的だな」
「びびったーなんかもうこわいな」
皆酔っているからなのか歓声がとびかう。
(暗い…何も見えない…)
「それでは、はじめさせていただきます…」
仲居が用意してきたろうそくに火を灯し、低い声で話しだした。
−−怪談が始まって少ししたころ、絵梨は案の定、眠くなってきた。
壁にもたれ、三角座りをしながら、こくり、こくり、と頭を揺らしていた。
すると、ふいに太ももに熱いものが触れた。
(え…?)
手だ。
すぐにわかった。
さらに手の主も。
右隣から手が伸びていた。
右隣にいる人物。それは西川係長にほかならない。
絵梨はうまく思考が働かない。
手は浴衣の上からゆっくりと太ももを撫で、合わせ目から中に滑り込んできた。
手が直に太ももに触れ、膝の方から徐々に下着の方へ近づいていく…。
絵梨は下半身がジュンと潤うのを感じた。
指は下着にたどり着き、蜜が溢れ出すその箇所を下着の上から探し当て、ゆっくりと撫ではじめた。