novel

□社内旅行 @
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「もう休憩?若いのにバテた?」

そう言いながら、絵梨の横に腰を降ろした。


「あは。なんか泳ぐのって体力使いますよね」

絵梨は横に座った西川係長の裸の上半身をこっそり観察した。

筋肉隆々、ではないが、たるみは全然ない。毛深くもない。うっすら日焼けしたほどよい太さの腕と、少し血管が浮き出た綺麗な手にドキンとした。


「バテたんならあっちにある海の家になんか冷たいものでも買いに行く?」

「あ、行こうかな。かき氷食べたいな」

砂浜に一人で座っているのも飽きてきていた絵梨は、嬉しくなって急に喉の渇きを覚えた。


「じゃあ行こっか」


西川係長に続いて立ち上がろうとした瞬間、ずっと同じ姿勢でいたせいか、足がもつれてよろけてしまった。


「キャッ!」


とっさに、そばにいた西川係長にしがみついてしまった。


しがみついた瞬間、絵梨の左胸が、むにゅっと西川係長の腕にあたった。かなり体重をかけてしまったので、押しつけたような感じになった。


「キャッ、す、すみません!」


絵梨は恥ずかしさで真っ赤になりながら謝った。

「あっううん、大丈夫?」


西川係長も胸があたったことがわかったようで、照れた笑いを浮かべていた。


「大丈夫ですっ。ちょっとよろけただけなので」

「そっか、じゃあ行こっか…」


それから海の家に向かって二人は無言で歩いた。

(わー、今の思いっきり胸の感触わかっちゃったよね…恥ずかしすぎる…)


絵梨は自分の失態から立ち直れないまま海の家に着いた。



つづく
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