novel
□社内旅行 D
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深夜−−
絵梨は眠れぬ夜を過ごしていた。
何度も寝返りをうち目を閉じるが眠気はやってこない。
同室の女性社員たちの安らかな寝息が聞こえる。絵梨以外は全員眠っているようだ。
諦めて温かいものでも飲もうと、そっと起き上がり部屋を出た。
廊下はしんと静まり返り誰もいない。
のろのろと歩き出し、自動販売機の前で立ちどまった。
煌々と光る自販機に目がくらみながら、ぼんやりと機会の中の珈琲を見つめた。
西川係長の指が忘れられなかった。
思い出すだけで体が熱くなる。
一体どういうつもりであんなことをしたのか…
「眠れないの」
突然声をかけられ、振り返ると、そこには西川係長がいた。
絵梨は驚きのあまり声も出なかった。返事もできず、黙ってうつむいた。
沈黙が流れる。
すると、係長の手が伸びてきて絵梨の頬に触れた。
はっとして顔を上げると、顔が近づいてきて、そっと口づけられた。
全身が締めつけられるような、緊張とときめき…
ほどなくして唇が離れた。
絵梨は切ない気持ちで係長を見つめた。
瞬間的に、もう一度キスされた。
むせるような息苦しく激しいキス。
舌がねじこまれ、卑猥に絡ませてくる…
頭と背中に手をまわされきつく抱かれながら、絵梨は夢中でキスを受け止めた…
つづく